背骨(脊柱)

手技治療の重要ポイント

 

1. 背骨(脊柱)

 ほとんどの症状は、この背骨の治療を欠かすことはできません。免疫力をアップさせたい場合や、血液の病気にかかっておられる方を治療するときにも、必ず背骨の治療を行います。

 背骨は1個1個、積み木のように骨が積み重なっています。実は、その骨と骨の間から全身に神経が伸びています。手足に行くもの、内臓に行くもの。つまり、症状が出ている場所の出発地点がこの背骨にあるのです。

 治療としては、その部分を調整します。胃が痛ければ胃に行く神経の根元を、肝臓が悪ければ肝臓へ行く神経の根元を、という具合です。

 また、血液は背骨の中で作られるので、背骨の骨膜を刺激してやれば血液は正常化していきます。再生不良性貧血という血液の難病の方も、この手技療法だけで薬も飲まずに治りました。

 血液が正常化するということは、白血球も活性化し免疫力もアップするということです。ひいては、がん細胞も駆逐できます。当院には多くのがん患者様もおいでになられ、進行が抑えられています。

 

 

脊髄神経
首

2. 首

 首も背骨同様、かなり重要です。首は頭(脳)と体をつなぐ重要な通路だからです。

 この通路には脳に栄養を与える大事な血管が2本(総頚動脈と椎骨動脈)往来しています。もしこの通路が筋肉の緊張(コリ)などで硬くなっていれば、当然、血管は圧迫され血液は通りにくくなります。

 すると、どうでしょう?

 頭痛がしたり、めまいがしたり、血圧が乱れる、認知症になりやすくなる。果ては脳卒中など、いろいろな症状につながりかねません。だから、首はいつも柔らかく保っていることが大切なのです。

 数年前、当院でこんなことがありました。

 60代の女性が、連日の過労で血圧が200まで上がり、今にも倒れそうだとのこと。確かにこのまま放っておいたら、かなり危険な状態です。すぐさま、首を強く波打つ頚動脈を治療しました。10分ほどで血圧はかなり下がりました。嘘のように落ち着きました。彼女は今も元気に働いています。

 また40代の男性が、中学生の頃より頭痛に悩まされ、病院の頭痛外来に通っても、薬を変えて試すものの、いつまでたっても治りませんでした。その男性がたった2度の手技療法で頭痛が完治しました。このときも、首と頭に行く神経を治療したのです。

 

 

 

心臓

 このように、首や背骨は手技療法を行ううえで、とても重要な場所です。もちろん内科症状もある方には、直接、内臓にもアプローチしてゆきます。

 

 つい最近、私たちもすごく勉強させていただいた事例がありました。

 70代の男性が「もう私あきまへんわぁ」と、何をするのもしんどそうな面持ちで来院されました。

 彼は心房細動(極度の不整脈)で、何をするにも心臓があおり、歩くのさえままならないようでした。脈はまともに数えられないくらい乱れ、聴診器で心音を聴いても、とても人間の心臓の音とは思えないくらい甲高い金属音がしていました。

 肋間に指を置き、心臓の一番悪いと思われる場所を治療していきます。また、背中側からもアプローチ。そして全体を手なずけるように心臓の動きを手だけで整えていきます。

 

 

 治療後、もう一度心音を聴きます。すると、もう金属音ではなくなっていました。“ドックン”とまではいかないまでもそれに近い柔らかい音に変わっています。心臓への直接アプローチと背骨を治療することで改善したのです。