昨今の保険制度事情
先日、50代の女性の患者様が来られました。
「ひと月前に原因不明の発熱があり、それ以降ずっと体調もすぐれず体のふしぶしが痛む。今一番痛いのは肘なのでそれを保険で診てほしい。」ということでした。
しかし、あいにくそういうケースは保険では診ることができません。
日本には、国民皆保険制度という、世界に誇れるすばらしい制度があります。なんと3割負担、70%オフで医療が受けられるのです。アメリカでもこのような優れた制度はありません。日本では、病院、クリニックのみならず整骨院でもこの保険制度を利用することができます。ただこの制度も、超高齢社会やCT、MRIに代表される高度な検査機器の導入などにより、医療費はパンク状態、このままでは維持していくことが難しくなってきました。
そこで政府は、この保険財政の崩壊を阻止するべく制度の見直しを考えています。当然、整骨院における保険利用にも数々の条件が、以前よりも厳しく設けられているのは言うまでもありません。それでは、整骨院ではどのような場合に保険を使うことができるのでしょうか?
保険が“使えるもの”と“使えないもの”
保険が使えるもの
~ケガや原因のある痛み~
・日常生活やスポーツで捻挫したり打ったり して、明らかな原因のあるケガ
・日常生活やスポーツで同じ動作の繰り返し (オーバーユース)や間違った動作で出た症状
(しかもこれらは最近のものだけで、古傷は認められません) (多部位、長期請求も不可)
保険が使えないもの
~病気や原因不明の痛み~
・日常生活での単なる肩こり、筋肉疲労、体調不良
・脳疾患の後遺症などの慢性病
・肉体疲労からの回復目的
・仕事中のケガ(労災適用)
・病院で同じケガを治療されている場合(二重がかり)
と、いうように整骨院で保険を利用するにはかなりの制約があります。
慢性的な肩こりや腰痛、しびれなどは厳密なことを言えば保険で診ることはできないのです。けれど、一口に腰痛と言っても、明らかに腰部を捻挫して痛めた腰痛ならOKです。
その線引きはプロの私たちでも曖昧模糊として難しいものがあります。だって使えるものには“最近のケガ”とありますが、いつからいつまでが最近のケガなの? “同じ動作の繰り返しで出た症状”はOKだけれど、ならパソコン業務での肩こりはだめなの? とか…。
それらの判断は実はそれぞれの保険者、つまり皆さんが加入されている健康保険組合や、国民保険なら各市町村の見解に委ねられています。こちらが、当然保険でいけるだろうと思っても通らないことも多々あるわけです。もし通らなければ、その支払いは患者様100%になります。
保険治療 | 自費治療 | |
施術時間 (治療師の行う時間) |
短 (+電気20分) | 約1時間 |
費用 | 安 (部位数で差) |
初回…......8000円 (2020年現在) 2回目~ 6000円 (院長指名で+1000円)
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施術部位 | 局所(痛いところしか触らない) |
ほぼ全身 痛みの症状の因果関係を探り ながら全身を診る (痛みの出ている場所以外が 関係していることもある) |
施術内容 | 簡易的 | 充実 |
適応症 | 最近のケガ |
頭痛、肩こり、腰痛、心疾患、 婦人科疾患、不妊症、ウツ、 しびれ、糖尿病、ガン、難病 etc |
自費治療
そこで当院は、そんなややこしい制度に惑わされないで思う存分治療に集中できる“自費治療”も設けています。保険治療と違い、全くの縛りがないので医学的アプローチがスムーズになり、早い治癒に結びつきます。
・どのような疾患でもOK(病気・ケガ)
当院で用いる円環手技療法は、身体の深部まで効力を発揮できる療法です。頭(脳)から足の爪先まで身体中が治療部位です。
・局所のみを治す保険治療に比べて身体全体にアプローチする
たとえば、腰の悪い患者さんに首や背中、足まで治療することにより、治癒が早まります。
“保険治療と自費治療”のそれぞれの特徴や違い、お分かりいただけましたでしょうか?
もちろん、患者様に合ったほうをお選びいただいたらよいと思います。また、患者様の症状を診て、こちらから提案することもあります。
尊徳堂は、“どちらの治療”もその条件に沿いながら、その中で最高の施術をお届けしています。